オランダで世界初バブル~チューリップ~

中世ヨーロッパ史★★/オリエント史★/経済史★★

世界初のバブル経済はどこで起きたと思う?

うーーん…イギリス?

経済の中心ってイメージだもんね!

そうだよね。でもそれはもっと後の話だよ。
この頃はまだまだ陸路による交易が中心で、イスラム商人やアジア地域の交易が盛んだったし、今の西欧でいうとイタリアのヴェネツィアやフィレンツェが地中海交易で発展してたんだよ。
その後航海に出たスペインやポルトガルが、そしてオランダが覇権を取る。
イギリスの時代がやっていくるのは、実はこのオランダの後なんだよ。

そっか…じゃぁどこなんだろ??

ヒントは初めて株式会社という仕組みを作りだした国だよ

そう、意外に思われるかもしれませんが世界初のバブルを経験したのはなんとオランダです。

実はオランダ、この時代くらいから海洋国家として覇権を握っていきます。

ところで、バブルといえばどういう印象がありますか?

不動産とか金融というイメージが強いかもしれませんが、そうではありません。

オランダといえば何を思い浮かべるかな?

チューリップ!!

そう、まさにそれ

え!?チューリップなんかでどうやってバブルが起きるの!?

人々がチューリップに翻弄される、その歴史を見てみましょう。

もくじ

チューリップの出身地

オランダのイメージが強いチューリップですが、原産地は実は中近東です。

原産地はトルコのアナトリア地方とされ、トルコ国内の宮殿(トプカプ宮殿等)やモスク(ブルーモスク等)に貼られたタイルに描かれている。生産地ではオランダが非常に有名で、各国へ輸出されている。トルコからオランダにチューリップが伝わったのは16世紀頃。日本のホームセンターや園芸品店で販売されている球根は、ほとんどがオランダからの輸入である。日本では、富山県や新潟県で大規模な栽培が行われている。両県を合わせた球根生産での国内シェアは98%(富山県53%、新潟県45%)である。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

いまでいうトルコあたりが原産地です。(オスマン帝国にチューリップ時代というのもあります。)

さて、野生のチューリップは、もともと十字軍によってヨーロッパにもたらされたといわれています。

その後、トルコで品種改良がされ、園芸用として育成されたものがオランダ商人によってオランダに運び込まれたのです。

オランダの首都アムステルダムは、 北52 東経4度 に位置しています。

オランダは北海道より北に位置していることになります。

そう、寒いのです。

この寒さをのりきる花は当時なかなかありませんでした。

歓喜にわくオランダ

そんな中、チューリップは球根で冬を過ごし、春に花を咲かせます。

なんと、オランダの厳しい冬を乗り越え、花を咲かせたのです。

こんな色鮮やかな花が咲くのか!と、きっとオランダの人々は感動したに違いありません。

当時のオランダは海洋国家、イギリスと覇権争いをするほどの大国になり、海を渡り各地に植民地を展開しています。

金融の中心地になっていき、オランダ国内では資産家が増え、金余りが生じました。

そんなとき、チューリップの球根がこぞって買われたのです。

そしてこの球根の価格が、日を追うごとに上がっていったのです。

いつしかチューリップはステータスシンボルに。

売れれば品種改良も進みます。

すると珍しい品種を求めてまた価格が上がっていきます。

そうこうしていると、今度は投機の対象になっていきました。

値下がりしない株、ということでしょうね。

チューリップの球根が青天井に価格が上がっていくのです。

まさに狂乱です。

最終的に、球根の先物取引やオプション取引まで行われたと言われています。

チューリップバブル崩壊

あたりまえですが、バブル崩壊っていうのは突然やってきますよね。

冷静になって考えてみると、たかが花の球根です。

価格が上がり続ける、なんていうのはどう考えてもありえない。

球根にこんな値段出せない、と思われたが最後、冷静になった瞬間、バブルははじけます。

球根の価格は大暴落。

チューリップ投資家は破産です。

チューリップでそんな馬鹿な、と笑ってしまうかもしれませんが、結局人間は何度も同じ過ちを繰り返しています。

その後、バブル崩壊なんて何度もやっているのに、それでもまたやってしまうのです。

いま思えば不動産バブルがあった過去のこともばかばかしいと思う、それと同じです。

いま起こっている金融バブルもいつはじけるかわかったものではないですが、それでも人はまた同じ繰り返しをしてしまうんでしょうかね。

チューリップの歴史に経済が絡んでいたとは、、、と思うかもしれません。

バブル崩壊という残念な結果に終わってしまいましたが、この頃の品種改良のおかげ(?)で、チューリップはいまでは10,000種近くあるといわれています。

また、オランダを代表するイメージフラワーにもなったことですし、結果としてチューリップが広く知られるきっかけになったのかもしれません。

チューリップで破産とか笑えるよな!

何が投機対象になるかわからないもんだよね。
そういえば、いま流行の仮想通貨は儲かるらしいよ。

そうなのか!?どうやって儲けるんだ?教えてくれー!!

・・・・この記事ちゃんと読んだのかな?

おいしく聞こえるような話に、簡単に飛びついてはいけませんね。

何事も冷静な判断と勉強が必要なのでお気をつけて!

チューリップ関連

プロが教えるチューリップの育て方と楽しみ方・総集編(TULIP HANDBOOK) | 富山県花卉球根農業協同組合 (tba.or.jp)

チューリップとは – 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版 (shuminoengei.jp)

参考書籍
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