オリエント史★★/宗教史★★
イランは中東に位置する国ですが、
①ペルシア人であること
②イスラム教シーア派の大国であること
この2点をおさえておく必要があります。
中東にある国だから、イスラム教でアラブ人の国じゃないの?
そう思いがちだけど、実際のところは違う。
アラブ人なんて言ったらイラン人に怒られてしまうよ!
どうしても、学校で教わるオリエント世界って、説明が薄くなりがちです。
でも実際、人類史の大半はオリエント世界が中心になって動いてきました。
イランもその中心地の1つ。
ヨーロッパ中心の歴史なんてたかだかここ200~300年です。
今日はイランという国を知って、世界史の理解を深めていきましょう!
イラン現代史を知りたい方はこちら
インド=ヨーロッパ語族のペルシア人
現イランでは、アーリア系のペルシア人がほとんどを占めています。
つまり、ペルシア人は、インド=ヨーロッパ語族のアーリア系の人々なのです。
紀元前9世紀頃に、北方からイラン高原にわたり、住み着いた人々だといわれています。
一方、アラブ人はセム語族です。
このように、そもそものルーツが違うよ。
主な宗教は同じイスラム教ですが、そもそもの人種が異なることは知っておかないといけません。
「ペルシア」の意味
ペルシアといえば、アケメネス朝ペルシアやササン朝ペルシアが有名ですよね。
大帝国を築いています。
ちなみに「イラン」とは、「高貴なる者」という意味だそうです。
イラン人自身は古くから国の名を「アーリア人の国」を意味する「イラン」と呼んできたが、西洋では古代よりファールス州の古名「パールス」にちなみ「ペルシア」として知られていた。
参照元:イラン – Wikipedia
イラン=アーリア人の国=高貴なる者
そもそも「アーリア=高貴な」という意味のようです。
これだけの歴史とアーリアに込めた意味があると、イラン人としてのプライドがあるのも納得だね。
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シーア派の大国、イラン
ちょっと宗教の話に入るよ
う・・・苦手だ・・・
大丈夫。イスラム教の基本のおさらいだよ!
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イランはイスラム教国ではありますが、シーア派です。
イスラム教には大きくわけてスンナ派とシーア派があります。(もちろん、細かくみたらもっと他の宗派もあります)
その中でもスンナ派が多数派、シーア派は少数派です。
よく、スンナ派盟主サウディアラビア、シーア派総本山イラン、と対比して書かれることも多いです。
そう、少数派といわれるシーア派ですが、その中でイランがシーア派の大国として君臨しています。
シーア派の中でも、イランでは十二イマーム派が多数を占めます。
詳細を書くと長くなるので、ざっくりと。
十二イマーム派
ムハンマド死後、四代目カリフであるアリーのみを正統カリフと認め、その血筋を重視しているのがシーア派です。
そして十二イマーム派は、アリーの死後続いた血筋をもとに、姿を消してしまった十二代目のイマームが将来、救世主となって再臨すると信じています。
中近東は第一次世界大戦、第二次世界大戦を通して、列強に都合よく作られた国家が多いですが、ここイランに関しては3000年以上の歴史、大帝国を築いた歴史を有し、高貴なる者として君臨し続けている自負があるのです。
イランを中東地域でくくり、アラブ民族国家として考えるのは大きな間違いであると、気づかされます。