紀元前史★★★/ローマ史★/経済史★★
カルタゴって聞いたことあるなー
カルタゴはとても繁栄した場所です。
地中海交易で大事なポイントとなっていたんですよ。
詳しく学びたいわ！どこにあるのかさえ知らないし…
カルタゴは今のチュニジア共和国の首都チュニスに近いところにあったフェニキュア人の都市です。
西地中海の制海権を握る強国として、700年近く栄えていました。
ちょうど、東西地中海のほぼ真ん中に位置していることがわかると思います。
そんなカルタゴが歴史の教科書に出てくる事件といえばポエニ戦争。
時代は紀元前264年、第一次ポエニ戦争から話を始めていきます。
ちなみに、「ポエニ」とはローマがカルタゴに対して呼んでいた名前です。
つまり、ローマ側からみた対カルタゴ戦争ってことね。
ポエニ戦争のはじまり
戦争のきっかけは、シチリア島。
当時のシチリア島は、西半分はカルタゴが支配、東側の一部をギリシアがもっていました。
ここにローマがケンカをしかける形で始まったようです。
最終的にローマが勝つのですが、シチリアのみならずサルディーニャ島とコルシカ島も奪います。
一方、これをきっかけにカルタゴは海上交易の拠点を失い、多額の賠償金も背負うことになりました。
コルシカ島はナポレオンの生まれた場所として有名だね
これが第一次ポエニ戦争でした。
終わったのは紀元前241年とされるので、約20年間に及ぶ戦争ですね…毎日戦いをしてたわけではないでしょうが、なかなか長い。
ちなみに、当時のローマ軍は市民皆兵の自軍だったのに対し、カルタゴ軍はほとんどが傭兵だったようです。
負けて帰ってきた傭兵たちにカルタゴは給与が支払えず、傭兵たちの反乱が3年4か月ほど続いたようです。
このように、負けたカルタゴ側は戦争の後遺症もすごかったんだなと思われます。
そうこうしているうちに第二次ポエニ戦争が始まります。（紀元前.218～紀元前.201）
この第二次ポエニ戦争で、カルタゴの名将ハンニバルがでてきますよ。有名なアルプス越えの話です。
ハンニバル！！あのホラー映画の！？
それはまったく関係ないよ！！
恥ずかしい思いをするから他で絶対言っちゃいけません・・・
はい…ハンニバルさんごめんなさい…
ハンニバル軍の奇襲
このハンニバル、名将というだけあってとんでもないルートからローマを攻撃しようと動きます。
海を渡って攻撃！！
・・・ではなく、わざわざイベリア半島から出発してアルプス山脈を越えて背後からの攻撃です。
迂回するにもほどがある。
まさか敵が山の方から現れるとは思いませんよね。
ローマ軍からしたら完全に不意打ちです。
油断というか、アルプス側に注意をはらっていなかったため、自軍の配置ができていませんでした。
これが功を奏して、カルタゴ軍はカンネーの戦いで見事勝利します。
実はこの戦いにアフリカ象も30頭ほど連れていったと言われてます。
象！？とんでもないなー！急に山から見たこともない大きな生き物が現れたら腰抜かすぜ！
しかも5か月かけて遠征したそうだからすごい
士気を保つのも大変だっただろうな…
俺は5か月も外で野宿なんでできないぞ・・・
スキピオ軍の逆襲
カンネーの戦いは見事勝利したものの、その後の戦況はカルタゴ不利で進んでいきます。
最終的にはカルタゴ本国まで追い込まれ、スキピオ率いるローマ軍が攻め込み、ザマの戦いでローマが勝利。
その後カルタゴは海軍を解体させられ、ローマの承認なしに他国と戦争不可、そもそも戦争放棄、などなどいろんなことが課せられてしまいます。
弱体化したカルタゴをみて、西地域のヌミディアから侵略を受けるも、ローマの承認なしに戦争ができないため反撃ができません。
いじわるなことに、ローマはそれを知っててカルタゴを挑発します。
ルールを破ってヌミディアに反撃すると、はい待ってましたとばかりにローマ軍はカルタゴに攻め込みます。
俺の許可なしに戦争したな、ということですね。
結果として第三次ポエニ戦争でカルタゴの町は火で焼きつくされ、灰になったとされます。
ほぼ跡形もない、遺跡もない。
徹底的に殲滅させられたわけです。
え・・・かわいそう
なんか残酷だな
戦い方や人の命といったものを今の価値観で考えてはいけません。
殲滅させなければならないほどカルタゴはローマにとって脅威だったと考えられるね。
遺跡が残ってないのは残念だけど、これも現代の我々の勝手な想いだね。
旅行サイトをみてると、ビュルサの丘にカルタゴの城塞がわずかながら残っているようです。
国立カルタゴ博物館が近くにあるそうで、ご参考までに。
この博物館、外観がとっても素敵です。
カルタゴの地はその後、ローマ管轄になります。
紀元前45年にカエサルによって再建され、ローマ帝国の都市、ローマ帝国内屈指の大都市として繁栄するのです。
