辺境の地 ブリタンニア
今のイギリスの地(ブリタンニア)に、ユリウス・カエサルが遠征に行きます。
時代は紀元前55年〜紀元前45年頃です。
このカエサルの遠征により、ブリタンニアはローマの属州となりました。
属州は紀元後409年頃まで続きます。
ブリタンニアにいたのは、ケルト民族のブリトン人でした。
だからブリタンニアとローマは呼んだみたいだね。
ローマの属州となったブリタンニアですが、その後一時的にブリトン人の支配が復活しますが、アングロ・サクソン人の出現で大きく変わることとなります。
アングロ・サクソンとは
アングロ・サクソンとまとめて呼ばれる彼らですが、アングロ人、サクソン人と、それぞれ異なる地域の人々でした。
ただ、民族としてはどちらもゲルマン民族の一派です。
ゲルマン民族の大移動のとき、アングル人とサクソン人はブリテン島へ渡りました。
- アングル人:今のデンマークの東側、北ドイツあたりに住んでいた人々
- サクソン人:今のドイツのニーダーザクセン州一帯に住んでいた人々
彼らはブリテン島に住んでいたケルト人を倒して、七王国を建国しました。
現在のイギリス人の血統のルーツは、このアングロ・サクソン人から派生するものと考えられています。
ノルマン人の征服
ところがその後、デーン人がブリテン島に侵攻してきます。
デーン人:デンマークを拠点としたノルマン人の一派
ノルマン人といえば、この当時、ヴァイキングが活躍していました。
ヨーロッパ大陸ではノルマン人の進撃が著しく、フランス・パリにも攻め入った結果、ノルマンディー地方を治めることに成功します。
ギヨーム2世はブリテン島へ渡り、1066年、イングランド王ウィリアム1世として即位し、ノルマン朝を興します。
これが、ノルマン・コンクエストです。
そんなノルマン人ですが、支配層にはなったものの、アングロ・サクソン人と混血を繰り返し、最終的には同化していくこととなります。
アングロ・サクソンのルーツをもつイギリス人は、17世紀にアメリカ大陸に渡ります。
その結果アメリカも、アングロ・サクソン人をルーツとする国となるのです。
アメリカのWASP
イギリスで困窮した人々が求めたのが、新天地アメリカでした。
また、彼らは純粋なプロテスタントでした。
イギリス国教会のどっちつかずの教義は到底受け入れられず、真のプロテスタントとして、また、貧困からの脱却を夢見て、決死の思いでアメリカに渡った人々でした。
彼らは「ピルグリム・ファーザーズ(巡礼の始祖)」と呼ばれました。
そして、彼らの子孫たちがWASP(ワスプ)と呼ばれるアメリカ合衆国の中核層となっていくのです。
WASP:W(White=ホワイト)・A(Angro=アングロ)・S(Saxon=サクソン)・P(Protestant=プロテスタント)これらの頭文字をとったもの
今では世界から多くの移民がアメリカに渡っていてWASPは少なくなってきていますが、アメリカもまた、アングロ・サクソン人をルーツとして生まれた国家だと彼らは考えているようです。