歴史や現代史を学んでいると、「〇〇制」という言葉に出会いますよね。
漢字から、なんとなくわかるような気もするのですが、はっきりとはわからない。
今日はそういった「〇〇制」についてまとめていきたいと思います。
君主制
君主制とは、
特定の人物(=つまり君主)が国を治める政治体制
を言います。
この「特定の人物」とは、世襲の場合もあれば選挙で選ばれる場合もあります。
君主制ってなんだか昔によく聞く言葉な気がするけど・・・
君主制には大きく2つのグループに分けられるよ
- 絶対君主制
- 立憲君主制
これを今の国に当てはめてみるとこうなります。
- 絶対君主制:サウジアラビアやクウェート、ブルネイなど
- 立憲君主制:イギリスやオランダ、スイス、カナダ、カンボジアなど
もっと細かく分けると、制限君主制や外見的立憲君主制などもあります。
ちなみに立憲君主制とは、権限の制限を憲法に基づいて行っている制度です。
なるほど。今の時代も君主制っていうのは存在しているんだね!
民主主義国家の中で君主制が存続しているのは少し違和感があるかもしれませんね。
ちなみに、日本の天皇も立憲君主制に当てはまるんだよ。
ただし、象徴天皇制という言い方をするけどね。
さて、この君主制の反対が、共和制にあたります。
共和制
共和制とは、
国王や皇帝のような君主がいない国家体制
を言います。
そして多くの場合が、国民が選んだ人物が代表となり、国を統治します。
わかりやすいイメージとしては大統領がそれにあたります。
現在、世界の多くの国が共和制を取っています。
アメリカや中国、ロシア、フランス、イタリア、メキシコ、インド、ブラジル・・・などです。
これらの国々が同じ共和制という政治体制?と不思議に思うかもしれません。
しかし、共和制とはあくまで「国王や皇帝のような君主がいない国家」という制度なので、それ以外の点で異なることはあります。
たとえば、国民が主権を持たない独裁的な共和制をとる国も存在するというわけです。
つまり、共和制だからといって民主主義国家であるとは断言できません。
民主主義を国の基本的な原則として重視する制度は民主共和制と言い、この制度を採用する国は民主共和国と言う。
アメリカやフランスなどは、民主的な選挙によって選出された大統領が国家元首となり、民主共和国に当てはまります。
しかし、大統領の権限や議会との関係は若干異なっているので、民主共和国の中でも細かく形態は分かれています。
我々が一般的にイメージする共和制とは、これらに当てはまるのではないでしょうか。
一方で、社会主義国でも共和制を取る国はあります。
例えば、中華人民共和国、ロシア連邦、ベトナム社会主義共和国などです。
朝鮮民主主義人民共和国も一応共和制と言われていますが、実際は世襲により特定の人物が国を治めているので君主制に近いと思われますが、なんとも微妙なところです。
なかなか複雑になってきたな
民主制
よく耳にする言葉としては、民主制もあります。
民主制とは、
政治の主権を国民がもつ体制
を言います。
国民が主権をもたない独裁的な共和制をとる国も存在することから、共和制≠民主制であることはわかっていただけるかと思います。
日本は民主制です。
先ほど君主制のところで日本の天皇の話をしましたが、象徴天皇である日本では、君主である天皇の権限を憲法により大きく制限しています。
その一方で、国民から選挙によって選ばれた議会や首相が力を持っているので、日本は君主制でありながら民主制であると言えるのです。
封建制
一応ここもおさえておきましょう。
教科書でもよく目にする言葉です。
封建制とは、
君主の下にいる諸侯たちが土地を領有して、その土地の人民を統治する社会・政治制度
を言います。
ところがこの封建制、国や時代によって若干異なるので、私たち日本人であれば御恩と奉公が一番イメージしやすいのではないでしょうか。
主君に忠誠を誓って戦などで武勲を立て、功績に対して領地を賜る。
そしてその領地を大名たちが支配・統治する、という形です。
武士の時代が続いた約700年、日本ではこの封建制が行われていました。
明治維新、廃藩置県が行われて無くなったとされます。
封建制度の元をたどると、中国に行き着きます。
血縁による主従関係がはじまりとされましたが、その後秦の統一により郡県制に移行していきました。
5世紀頃からはヨーロッパでも封建制度が始まります。
力の強い者たちが、権力者たちと主従関係契約を交わし、領地を授かります。
そして、その土地に住む農民たちに耕作をさせて税収を得るという荘園制が浸透します。
ヨーロッパでは17世紀頃に勃発する市民革命を経て封建制は無くなっていきます。
政治体制は時代により色々と生まれてくると思います。
また、細かく分けると一つのくくりでは収まらないようにもなってきています。
今後の民主主義や社会主義はどこへ向かっていくのか。
グローバル社会がもたらした世界の繋がりは、また新たな制度を生み出していくのか、私たちはその歴史の狭間をいま生きているんだと思います。